膝蓋骨内方脱臼/パテラ

症例画像1
症例画像1

膝蓋骨内包脱臼とは膝のお皿が内側に脱臼してしまう病気で、主に小型犬で多く見られます。

グレード1:膝蓋骨が用手にて脱臼、放すと正常な位置に戻る
グレード2:膝蓋骨は頻繁に脱臼、膝関節の屈伸あるいは用手で正常な位置に戻る
グレード3:膝蓋骨は常時脱臼しているが正しい位置に戻すことが可能
グレード4:膝蓋骨は常時脱臼しており、正しい位置に戻すことができない

生涯にわたって内科的に管理が可能なこともありますが、根治的な治療は外科手術であり、脱臼の重症度と臨床症状によっては外科手術が適応となります。なお、膝蓋骨内包脱臼に前十字靭帯断裂を併発することもあり、この場合は外科手術が必要です。
また、成長とともにゆっくりと進行し、明確な症状を示さずに重症化する場合もあるため注意が必要です。

大腿骨の重度変形を伴う症例を除き、外科手術は主に
・滑車溝造溝術(膝のお皿がおさまる溝を深くする)
・内側支帯解放術及び外側支帯縫縮術(膝のお皿にかかる筋力の調整)
・脛骨粗面転移術(膝関節における配列の調整)
の組み合わせが基本となります。

左の写真(術前、術後)は滑車溝造溝術、内側支帯解放術、外側支帯縫縮術を実施したグレード2の症例です。
右の写真は滑車溝造溝術、内側支帯解放術、外側支帯縫縮術に加えて、脛骨粗面転移術を実施したグレード3の症例です。

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